自衛官候補生から一般曹候補生を目指した方がいい本当の理由

１５歳で自衛隊に入隊して、２４年勤務させていただきました私が解説させていただきます

こういう人は、自衛隊に入隊したあと後悔しないように今回の記事をみてよく考えるようにしてください。

ですが、今回の記事をよく見ていただくと分かります。あなたの取るべき道はたった一つだけです。

まず記事の結論から言っておきます。

どちらにしろ、曹になりたければ、「一般曹候補生」から入りましょうってことです。

また、今回の話は特に陸上自衛隊の話が出てきますが、海上でも航空でも大差はありません。

自衛官候補生から一般曹候補生になった方がいい理由を解説

まずは、「自衛官候補生」と「一般曹候補生」の違いから説明した方がよさそうですね

自衛官候補生と一般曹候補生の違い

高校卒業を予定している高校生が受験する人気の自衛隊採用試験と言えば、

あ、おしいです。人気じゃなくて、任期ですね。冗談はさておき続けます。

一般曹候補生の特徴

• 入隊すると直ぐ2等陸士になります。
• 部隊配置後、選抜試験で合格すると３曹に昇任します

自衛官候補生の特徴

• 入隊後、前期教育終了後に２等陸士になります。
• 部隊配置後、選抜試験で合格すると３曹に昇任します
• ２年の任期があります。

そんなに差がないような

ここまでの情報は地方協力本部の隊員が皆さんに説明しますので、ご存じの方も多いかと思います。

ですが、実際のところは雲泥の差があるんです。

残念ながら、これが事実です。

定年まで働きたい人は自衛官候補生から一般曹候補生になりましょう

陸曹になって定年まで働きたいなら、一般曹候補生から入隊しましょう。自衛官候補生からはまず陸曹にはなれません。

また、自衛官候補生として勤務している方は、一般曹候補生の試験を受けて合格しましょう

良くご存じで、確かに陸上自衛隊では１任期目で約６０万円、２任期目で約１４０万、4年で２００万円の任期満了金がもらえます。４年で辞める予定ならば非常に有効です。

しかし、定年まで働きたいんだったら一般曹候補生から入隊ください。

陸曹選抜試験の概要

部隊配属後、陸曹になるには陸曹選抜試験に合格しなければいけません。これは、どちらも同じです。

実施される陸曹選抜試験は同じ日に同じ問題で試験を行いますが、一般曹候補生と自衛官候補生の枠は全くの別枠で合否を決めます。

一般曹候補生は７年で合格

一般曹候補生は同期の中でのみ競い、試験の度に数名ずつ合格して７年目には最後の一人まで合格する事をを基準に行っています。

必然的に合格基準のレベルは下がっていき、最低限の評価があれば7年以内に合格します。７年目に名前書いて、体力検定だけ受かれば合格ってことです。

自衛官候補生は厳しいサバイバル

自衛官候補生は期別ではありません。最初に受験するときは、１年、２年先輩と同じ土俵で評価されます。合格者がいれば次の試験で分母は減るわけですが、次の年は後輩が入ってきて基本合格レベルが下がっていく事はありません。

不合格であれば必然的に次の年はもっとよい結果を残さなければなりません。

飛びぬけた試験結果をだせば合格するでしょう。

地本は数少ない広報！自衛官候補生に入隊させるのも仕事です

各都道府県にある地方協力本部は広報として自衛官の募集や入隊前の準備の手伝いなどを行います。

自衛隊へ入隊する場合は必ず地本を通さなければなりません。彼らの仕事は若者を自衛隊に入れるまでです。自衛隊に入れた後はやめようが、続けようが彼らには関係ありません、部隊の責任なのです。

とだけ思っています。

地本にはノルマがあるのか？

最近の自衛隊は入隊希望者が減っていき、入隊人数の確保は毎年の課題です。募集人数のノルマを課されなくとも、地本で勤務する隊員は自分でかってに自衛隊にいれた人数を意識してしまうでしょう。

私が地本の隊員の募集官だったらこうすると思います、

自衛隊に入隊を希望している高校生が試験を受けたが一般候補生試験には残念ながら不合格、それでも自衛官候補生試験に合格している彼へ私はこう言います

自衛官候補生と一般曹候補生、私の身近な隊員のはなし

私が勤務していた部隊に配属になった隊員の紹介をします。３人とも勉強の成績は入隊時もう一つでした。

仕事頑張る一般曹候補生Ａ士長

仕事を頑張るＡ士長は人気者でもあります。ですが選抜試験の成績は毎回今一つ、ある程度の努力はしますが、必死さは感じられませんでした。それでも６年目、同期の中では最後でしたが無事に陸曹へ昇任。現在も勤務しています。

仕事頑張る自衛官候補生Ｂ士長

仕事を頑張るＢ士長も人気者です。ですが選抜試験の成績は毎回もう一つ、ある程度の努力はしますが、必死さは感じられませんでした。そのうち2任期満了４年を迎えた彼は、無事に民間へ就職しました。現在も民間で頑張っています。

仕事頑張らない一般曹候補生Ｃ士長

仕事への覇気があまりないＣ士長は周りからあまり好かれてはいません。選抜試験の成績は毎回もう一つ、ある程度の努力はしますが、必死さは感じられませんでした。それでも６年目、同期の中では最後でしたが無事に陸曹へ昇任。現在も勤務しています

なにが本人の為かは分かりませんが、Ｂ士長が希望していた陸曹になれなかったのは、事実です。ＣよりＢに残って欲しかったのも事実でした。

結論はよく考えて自衛官候補生から一般曹候補生を目指すなら早めに

ここまでご覧いただきありがとうございました。

任期隊員制度はその制度をよく理解して入隊するならば、より有益な制度です。皆さんも入隊の際はよく考えて、後程後悔されませんように。

令和２年の一般曹候補生の試験日は５月２３日（土）です。

自衛官として勤務しながらでも一般曹候補生を受験

自衛官候補生として入隊した隊員でも、毎年の試験日に一般曹候補生を受験できます。前期の班長や教官が優秀な隊員には受験を勧める事があるようです。

合格すれば前期のやり直しなどせずに、一般曹候補生として勤務が続きます。（期別は１年遅くなります）

訓練の合間をぬって勉学に励む必要があります。