今回の記事では、高校を卒業した人(高卒)で入隊した人が、早く階級を上げる方法をお伝えします。
本記事の内容
- 高卒が自衛隊で階級の昇進スピードをあげる方法
- 高卒自衛官の階級と年齢
- 高卒が受ける事の出来る自衛隊試験
- 自衛隊の階級
今回の記事を読めば、高卒でも階級を早くあげる方法が分かります。
努力なしでは済まない話ですが、正しい努力をして階級アップの近道をすすめば、だれでもあなたがもっている実力以上の結果を階級にする事ができます。
階級がアップすれば、自然と年収もアップするし、退職金も大きく変わってきます。年収があがれば65歳からもらえる年金もアップ。
生活基盤をしっかりる来るためにも、効率的な努力を学び、階級を早くあげるための努力をしましょう。
注:なお、今回は『昇任』とするところを一般のひとでも分かりやすく、『昇進』とします。
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高卒の自衛隊員が階級を昇進させるスピードを上げる方法
階級昇進のスピードを上げる方法
- 曹の選抜試験でいい成績をだす
- 過程教育でいい成績をだす
階級昇進のスピードを上げる方法はもうこれだけです。他の努力はほぼ意味がないといってもいいでしょう。
階級を上げることのできない努力
- 仕事で結果をだす
- 上司に好かれる
- 皆から一目置かれる、優秀な隊員になる
残念ですが、良かれと思って頑張っても階級昇進にはほぼ効果はありません。
これからひとつづつ詳しく理由を説明していきます。
曹の選抜試験でいい成績をだして昇進スピードをあげる
自衛隊に入隊して、同期との階級に差がつく一番最初の関門です。
士長になると『曹選抜試験』の試験資格ができるのは、『一般曹候補生』も『自衛官候補生』も一緒です。
年に2回の選抜試験で同期のなかで1番の成績だと、まず間違いなく先に昇進します。
3曹昇進のスピードをあげるには、曹の選抜試験でいい成績をだす、だけです。
曹選抜試験の内容
1次試験(筆記試験)
- 一般教科(国語、数学、英語)
- 時事問題
- 自衛隊法令、教範
2次試験(実技)
- 面接
- 体力検定
- 基本教練
1次試験では高校1年程度の基礎の勉強をもう一度やって、自衛隊法などの法令の勉強や自衛隊の教範の問題も出題されます。
自衛隊の教範はもう、持つのが大変ですけど、ヤフオクにもいまだに出品されています。持っていると処分の対象になるので取り扱いには注意が必要ですが、『ヤフオク』で索するだけなら、問題ありません。
一般候補生は選抜試験を繰り返すたびに、同期が合格していき最後に自分だけが残れば、もう次は自分の順番です。
- 筆記試験で0点の科目をとらない
- 体力検定は合格
この2つの条件がそろえば合格が見えてくるので、もう無理に頑張ることはないでしょう。
陸曹教育隊では周りは自分の後輩ばかり。ひょっとしてこれはこれで、いい待遇なんじゃないかなとも思います。
高卒でも3曹になって4年が経過すれば、部内の幹部候補生試験を受ける事ができます。階級にこだわる人・・いや自分探しの旅で幹部になるのもいいかもしれません。
各過程教育でいい成績をだして昇進スピードを上げる
曹への選抜試験に合格すると、士長のまま初曹の過程教育に入校します。ここで、いい成績をだしておくと、2曹への昇進が早くなります。
まだ3曹にもなっていないのに、もう2曹への昇進スピードがほぼ決まります。
初曹過程教育の内容
- 前期(陸曹教育隊)
- 後期(各職種学校)
陸曹教育隊での頑張りはとっても重要
陸曹教育隊では自衛隊人生のなかでも特に忙しくて厳しい環境の中の3ケ月を過ごすことになりますが、この3ケ月を頑張って好成績をだせる人は、その後の教育でもいい成績をだせる隊員です。
方面総監賞をもらって帰れば、抜群に2曹への昇進がはやくなり、どこかの部隊の最先任上級曹長への道が開けてきます。
最先任は自分の部屋があるし、自分のテレビもあるし、仕事もあんまりないし・・。とにかく一番待遇のいいポジションの一つ。とは私の個人的な感想です。
初曹教育の成績と2曹昇進スピードの関係性
初曹成績上位 | 2曹への昇進目安 |
5% | 5年 |
40% | 11年 |
80% | 13年 |
100% | 14年 |
ここ数年、普通の成績だと10年超えが当たり前になってきて、2曹の昇進はとても少なくなっています。
個人的な感想では、6年~10年くらいで昇進する人がすごく減ったかんじ。
昔は上位80%でも10年で2曹になっていた気がします。
それでも成績のいい隊員は、最先任候補としてドンドン階級は上がっていく。いわゆる2極化が自衛隊の階級では進んでいます。
昔は定年前には曹長でしたが、今では1曹の定年も沢山いますし、ちょっと処分があると2曹での定年にもなってしまいます。
まー、もうこうなったら、俺は階級なんか気にしないよと強がって、ばれない副業でもした方がいいかも。
中曹、上曹の過程教育も頑張ろう
年取って、また過程教育入るのは精神的、肉体的につらいので隊員によってはもう消化試合の気持ちで過程教育に望む人もいるでしょう。
やる気のある人と無い人では、はっきり成績に差がつく教育です。その分ちょっとの頑張りでもいい成績になるんじゃないでしょうか?
コロナを理由に駆け足さぼるのはちょっと無理があるのですが、入校前によく駆け足やって、準備して入校するのもいいでしょう。
仕事頑張っても階級昇進スピードはあがらない
結論:残念ですが、仕事頑張って結果残しても、昇進スピードはほぼ変わりません。
残念ながら、2曹への昇進の要素は初曹過程教育の結果がほとんどです。早く昇進したいんだったら、部隊での頑張りの10%でも教育中に使った方が有効です。
まーそれでも、効果がゼロというわけではないので、頑張ってみるのもいいでしょう。ただあたりもしない宝くじを頑張って買うのとあんまり変わらないかもしれません。
部隊でも昇進隊員の『上申』をしますが、あんまり反映されているとは思えません。やっぱり過程教育の結果がすべて。
それでも、仕事頑張ることは悪い事ではありませんので、『個人の充実』のために普段の仕事もがんばりましょう。
上司に好かれても、階級昇進のスピードは変わらない
結論:好かれる上司はよく選べ。人によっては効果あるかも、でも多分時間の無駄です。
飲みについていったり、よく話したり、上司に気に入られることも仕事の上では大切ですが、自分の階級昇進のスピードにはまったく影響しません。
ですが、階級の序列をひっくり返せるような偉い人にいろんな意味で気に入られれば、効果はありそうです。
そういえば、営業3課の浜崎君は、釣りの趣味で社長に気に入られていました。
内閣総理大臣や一つ上の先輩に好かれても影響はありません。自分の1次部隊の長なんかに好かれると、ひょっとしたら影響あるかもしれません。
たぶんないと思うけど。そんな、時間の無駄なことするくらいだったら、服務小六法でも読んでた方が自分の為だと思います。
皆に一目置かれる優秀な隊員でも、昇進のスピードが速いわけではない
結論:こんな隊員は昇進の遅い仕事のできる優秀な隊員なだけ。
昇進の早い人は、仕事ができるではなくて過程教育の成績が良かった隊員です。もちろん成績の良い隊員はいい仕事をすることも多いのですが、やはり例外もいます。
- 仕事はできるが、階級の昇進が遅い人
- 仕事はできないが、階級の昇進が早い人
自衛隊でもこんな人もチラホラ見かけます。それでも階級社会なので、階級上位の人の指示には従います。
いろんな意味でとってもつらいことになるので、成績が良かった人は仕事もできるようになってほしいです。
話は少しそれましたが、成績悪くて昇進スピードの遅い仕事のできる優秀な隊員が挽回するには、もう幹部になるしかないんですね・・
士での階級を早くあげる方法
結論:士は階級の昇進スピードに差はつかない。
士の階級にある時はどれだけ、好成績であっても、どれだけ賞詞をもらっても早く昇進する事はありません。
もしこの時期に頑張るべきことがあるとしたら、個人の勉強と体力練成に力をいれましょう。
高卒で自衛隊に入隊した人の階級が昇進するスピード一覧表
昇進階級 | 一般曹候補生 | 自衛官候補生 | 参考年齢 |
2士 | 入隊時 | 3ケ月 | 18 |
1士 | 3ケ月 | 6か月 | 18 |
士長 | 6ケ月 | 6ケ月後 | 19 |
3曹 | 2年~6年程度 | 23 | |
2曹 | 4年~12年程度 | 33 | |
1曹 | 4年~12年程度 | 43 | |
曹長 | 4年~12年程度 | 51 | |
准尉 | 3年~ |
参考年齢:成績が上位40%程度の時の参考年齢
今回は、高卒で入隊する人のほとんどが受験する二つに絞ってお伝えします。
- 一般曹候補生
- 自衛官候補生
高卒で自衛官になる人のほとんどがどちらかの試験を受けて入隊します。では二つの試験でどんな違いがあるのかを説明します。
一般曹候補生
自衛隊に入隊後7年以内で曹に昇任する事を前提にした試験。
そのうち、試験には合格するので自分から依願退職しなければ曹にはなれます、『忍』んで頑張りましょう。
自衛官候補生
任期制の隊員。陸上自衛隊では、2任期4年で退職が普通で3任期目継続は希望していても実質無理。海上や航空は3任期目継続も多くいる。
曹への選抜試験はあるが実質合格者は1割程度。
任期制の隊員のため、曹になりたい人はここから入隊するべきでありません。合格しないからと言って、ここから曹への昇進はハッキリいって困難です。それでもなりたい人は、
自衛隊で仕事をしながら、一般曹候補生の試験を受けましょう。合格すればバッヂが付きます。
高卒の自衛隊員が階級を昇進させるスピードを上げる方法のまとめ
階級昇進のスピードを上げる方法
- 曹の選抜試験でいい成績をだす
- 過程教育でいい成績をだす
階級を上げることのできない努力
- 仕事で結果をだす
- 上司に好かれる
- 皆から一目置かれる、優秀な隊員になる
自衛隊に入隊した後、階級を昇進させるスピードの要因が分かったと思います。
もし、あなたが自衛隊に入隊して早く階級を上げたいと思っているのであれば、必要な時に必要な努力を惜しまないことです。
努力を惜しんでしまえば、もうその機会は戻ってきません。一度ついた成績を覆すことはできないのでしっかり準備と努力をしましょう。