自衛隊

自衛官の不祥事が多発している本当の理由を解説

2020年4月17日

 

自衛官の不祥事のニュースが流れる事は最近多くなってきたと印象を持っている人も多くいるでしょう。確かにここ数年自衛官の刑事事件を犯す頻度は多くなっています。今回はその理由や謎、解決法を提示していきたいと思います。

国家公務員として働く自衛官にはやはり、法令を守ってもらいたいと思うのは私だけではないし、彼らには、国民負託にこたえるためにも最低限の事は守ってもらわなければいけません。

自衛官の不祥事が多発している本当の理由を解説

自衛官の不祥事が増えている原因は大きく3つの要因によるところが大きいです。この3つの要因をうまく対処することができるかによってこれからの不祥事数が大きく変わっていく事になります。

自衛官の不祥事が増えている要因

  • 教育の低下
  • 報道の過熱
  • 隊員素養の低下

この3個の要素についてそれぞれ解説していきます。

教育の低下が自衛官の不祥事を増やしている

自衛隊では部隊配属後に事故防止の教育を行っています。特に長い休暇前(GW・夏季休暇・年末年始休暇)には必ず休暇をとる隊員にむけて服務指導を行います。休暇間の行動に気を付ける事という意味を込めて事故防止の教育を行うその内容は

  1. 交通法規の遵守
  2. 薬物乱用の禁止
  3. ハレンチ行為の禁止

この3項目の教育をほぼ毎回同じカリキュラムで行っています。それも何年も・・・

 

報道の過熱で不祥事は大きく見えている

各報道が自衛官の不祥事のニューズを大きく報道している所は確かにあります。人数比で比べればやはり自衛官の犯罪率は少ない傾向にあるのも本当です。

自衛官は国民の関心事項でもあるので、ニューズとして箔がつくため一般人が犯してもあまりニュースにしないようなことをテレビや新聞に報道している場合が多いのも事実です。

ですが、それを差し引いてもここ数年の自衛官不祥事は多くなってきていますので、自衛官はなんとか報道されないように不祥事を減らす事が必要です。

 

入隊隊員の素養の低下

ITバブルがはじけた90年代以降、日本は緩やかであってもGDPを伸ばしつつあり、国内の景気は良いものとなっています。日本国内の失業率は先進国の中でも優秀な数字で、他にも国民特有の勤勉さも重なり仕事に困っている人間は他の先進国と比べて少ないものです。

好景気の時には昔から公務員に優秀な人間が集まってくることはありません。

民間の会社でも多くの賃金を獲得することができると判断されれば、きついイメージのある自衛隊に入隊したいと思う人が少なくなるのは当選です。

地本も募集には苦戦しているようで、本来ならば地本である程度精査した後に入隊を進めてみる事が正しいと思われていても、人員確保のため入隊させる人数を増やす事を第一の目標としていることも否めません。

そのためリテラシーの低い隊員が多く入隊していることも不祥事が増えている要因の一つとも考えられます。

自衛官の不祥事を減らす最も効率のよい術はやはり教育

人格は遺伝と環境によって変化するものです。たとえいままで劣悪な環境で育った人間で人格的にあまりよくない人間であっても、自衛隊に入隊してその環境を素晴らしいものにできれば、どんな隊員が入隊してきても人格を素晴らしいものにすることができます。

肝心の自衛隊の教育内容は、

  1. やってはいけないものだから、絶対にやるな
  2. やったら自分が不幸になる
  3. やったら周りも不幸になる

この理論で教育を行っています。正直こんな教育をいくら繰り返しても、隊員のリテラシーやモラルが向上する事はありません。

これでは癌ができては外科手術で取り除く。次に新しい癌ができればまた手術する。これを繰り返しているだけで、なぜ癌ができているかを考えずに小手先の策にはまっているだけです。

最先任上級曹長制度では今のところ変える事ができていない

最先任上級曹長制度が確立して久しい年月が経ちましたが、なかなか効果が見えているものはありません。それは何故でしょうか?それは公務員につきものの、教育をしましたよという報告をすることを最優先として教育を行っているからです。

どこの部隊でも上級部隊への報告で手一杯です。上級部隊はとかく報告をさせます。不祥事があれば対策はどうなっているかを聞きます。本当の中身などどうでもよく、自分たちもいい報告をするための資料作成の為に工数を使います。本当に正しい教育をする暇がないのが現状で部隊は教育内容を思慮する時間より、報告する資料作りの時間の方が大きいのです。

残念ながら今のままでは組織手して急に変わる事は望めません。

私が提案する改革案はこうです。

部隊の骨幹をなす曹の教育にもっと力を入れましょう。中曹も過程教育となった現在では教育の期間はとても長いものとなっています。この中曹や上曹、もちろん初曹の時にも当てはまりますが、人の人格を良い方向へと変える力を伸ばすための教育を取り入れるべきです。

 

もちろん今でも全くないわけではありませんが、もっと部外者の専門家を取り入れて新しい知識を取り入れていかないと、これからの自衛隊はよくなっていきません。そして部隊にもどった陸曹が自分の部隊の隊員を変えていくのです。正直言って教育期間ほとんどの時間を使ってでもやるべきです。

陸曹を変えていく事が永い永い道ですが、将来の自衛隊をよくする一番の近道であるという事を断言しておきましょう。

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