認知症で悩む人の周りは、また同じ悩みを持つ人が多いものです。私は介護の現場で働くようになって認知症の型と接するようになって、現場で働く人の悩みも理解できるようになりました。
私にとっては悩みではありませんが、同じ職場で一緒に働く介護職員にとっては悩みを持ちながら働いている人も多くいます。
今回は、私が認知症の患者で「トイレ拒否」をする患者との壮絶な・・壮絶ではありませんが、日々挑み続ける毎日をブログにして、もし介護に携わる方の助けになればいいと思って書き始めました。
介護施設でトイレ拒否する認知症患者
介護施設ではトイレ誘導が必須です。尿意を催して自分でトイレに行く事の出来る人には基本的に必要ありませんが、排せつの時期を自分で判断できなくなっている患者もいます。
そういう人には施設側がトイレに誘導します。トイレに一緒に行ってもらい、排せつの手伝いをしたり、漏らしていたらその処置を行います。
認知症患者には、そんなトイレ誘導を拒否する人も少なくありません。様々な要因が理由とされますが、ここでよくあげられるトイレ拒否をする要因を上げます。
トイレ拒否をする理由
- トイレが怖い
- そもそもトイレを理解できていない
- トイレをみられるのが恥ずかしい
- タイミングがずれている
- スタッフの信頼がない
他にもいろいろと理由が考えられるでしょうが、スグに思いつくトイレ拒否の要因を上げました。
これに私が働く施設での仮に名前を「高橋さん」として、高橋さんはなぜトイレに行ってくれないのかを考えてみました。高橋さんにこの中で当てはまる要因があるとすれば、
- トイレを理解していない
- タイミングがずれている
- スタッフの信頼がない
の3つです。この要因をなるべく解消しつつ、トイレ誘導していきます。
トイレ拒否する高橋さんの基本情報
高橋さんはやはり、認知症と診断をうけています。高橋さんはどんな人かを紹介します。
高橋さんの特徴
- 女性
- 静かな一面があるが、一度話し出すと声が大きく他の入居者に怒られる場面が多数
- 話は多少キャッチボールにもなる
- 強気な性格
トイレ誘導が難しく、パッドやおむつの交換時にはいわゆる汚物まみれの様です。
高橋さんへのトイレ誘導
こんな高橋さんですが、私は何回かトイレ誘導に成功したことがあります。その時に気を付けたことは一つのみ
- 高橋さんの話に強く同意して
- 「ありがとう」を連発して感謝して
- いい気にさせて
- トイレ誘導
この方法で3回くらい連続でトイレ誘導に成功しました。介護の仕事はほぼ未経験だったので、浅知恵を振り絞った結果、トイレ誘導することに成功しました。
そんな事もあり、私は高橋さんのトイレ誘導は専門になったのですが、なかなか全部成功はしません。ここで失敗例をいくつか
- 高橋さんに強く同意しても、「はい」「はい」とかわされている気がする
- 「ありがとう」を連発しても、かわされている気がする
- 顔は笑っていても、
- トイレ拒否
この流れになってしまいます。
でもトイレ拒否も長くは続かずに、高橋さんの気持ちのいい笑い方をしている時にトイレ誘導をすると、成功しました。会話の中でどこかに行きたいと言った時に、じゃあ行きましょうと誘導してトイレに連れていきます。話し方はしっかりしているのですが、トイレを理解していないかもしれません。
簡単な時はあっさりとトイレ誘導できます。こ、これは私の心に火をつける結果になってしまいそうです。
ちょっといい気になっていた私の鼻をぽきっと折ってくれたことに感謝しつつ、次の出勤日までには新しいトイレ誘導の作戦を作ってチャレンジします。
ショートステイの施設なので、帰らないでいてほしいと密かに思っていることは他のスタッフにはとても言えません。