こんなお悩みをお持ちの人、また自衛隊に入隊する前に知っておきたい人は、今回の記事をご覧になればお悩み解決です。
この記事では自衛隊においてどのような要因で階級が早く昇任するかが分かります。
そして一番大事な階級が上がる自衛官になる方法もお伝えします。
本記事の内容
- 曹の昇任スピードが決まる要因
- 幹部の昇任スピードが決まる要因
- 昇進できる自衛官になる方法
なお今回は陸上自衛隊の昇任を民間の人にも分かりやすいように『昇進』と書き換えて紹介させていただきます。
今回の記事をみることであなたは最速で昇進する自衛官を目指すことができます。また知人にそのアドバイスをすることも容易になるでしょう。
自衛隊での階級はどの要因で昇進のスピードが決まるのか?(陸曹編)
自衛隊で勤務する陸曹は3等陸曹から陸曹長まで10万人近くの隊員が陸曹として勤務しています。
自衛隊では陸曹の昇進はどのように決まっていくのかを詳しく紹介していきます。
3曹から2曹への昇進
3曹に昇進する前の陸士長の時に陸曹教育隊において、初級陸曹教育課程に入校します。期間は3ケ月です。その後は各職種学校に行き初級陸曹に必要な専門的な勉強をしますが、2曹への昇進は陸曹教育隊における成績でほぼすべて決定します。
- 〇 陸曹教育隊でいい成績をとる
- 〇 職種学校でいい成績を取る
- ✖ 普段の仕事で評価される
- ✖ 後輩を育てる
その後職種学校に行って、専門的な勉強をしますが、ここでも頑張りましょう。初級陸曹の過程教育は昇進のスピードを決める唯一の大きな要因です。
また部隊に戻って頑張って働いても、昇進にはほぼ影響しません。ですので、仕事ができる人が必ずしも昇進していくスピードが速い隊員とは限りません。
まれに、教育隊での成績は良いが仕事させるとポンコツな隊員がいますが、階級はどんどん昇進していきます。昔は中曹が無かったので、1曹まで早く昇進していきました。
結論として・・
早く昇進するには陸曹教育隊でよい成績をとってください。その後いくら普段の業務で頑張っても階級が早く上がる事はほとんどありません。
昔は遅くても10年超えれば昇進していましたが、最近はなかなか昇進しません。
昇進の早い隊員は4年程、遅ければ12年近くなる隊員も普通にいます
6~8年ぐらいで昇進する隊員がとても少なくなり、自衛隊の陸曹は全体的に昇進しずらい時代に突入しています。
2曹から1曹への昇進はどのように決まるのか
2曹への昇進が遅かった隊員も、中級陸曹教育が過程教育になったために、成績の順位が色濃く反映されます。
逆に言えば、2曹への昇進が早かった隊員はまた頑張らないといけません。ちょっと世知辛い世の中になってきた気もします。
これも昇進スピードが速い隊員で、4年ほどで昇進します。遅い隊員は12年近くかかります。これはもう処分受けていれば2曹の定年もぽつぽつあるくらい昇進が遅くなっています。
結論:中級陸曹教育課程でいい成績をとる
1曹から曹長への昇進スピードは?
1曹から曹長への昇進は以前通り、上級陸曹教育での成績順位で昇進のスピードが決まります。
早ければ、4年程で、遅ければもう昇進しないと思います。
最近は普通に1曹の定年がいますし、これから何年もたてば、1曹の定年の方が曹長より多くなることにもなるでしょう。
これは、最終俸給が下がりますので、退職金にも大きく響くことになります。頑張って退職後にいい職に就きましょう。
自衛隊の勤務がんばってもあまり給料は増えないので、定年後にいい仕事に就ける様に現役時代には頑張る事をお勧めします。
結論:上級陸曹教育過程でいい成績をとりましょう
陸上自衛隊で働く陸曹の階級の昇進スピードをまとめた
陸曹の昇進スピードが一目で分かる表を作成してみました、参考にしてください。
何にしろ、昇進のスピードを決めるのは陸曹教育隊で行う過程教育です。職種学校でいい成績とっても、職場で頑張って昇進を上申されても、昇進にはあまり影響しません。
昇進階級 | 参考年数 | 昇進スピードを決める要因 |
2曹へ | 4年~12年 | 初級陸曹過程(共通) |
1曹へ | 4年~12年 | 中級陸曹過程 |
曹長へ | 4年~ | 上級陸曹過程 |
自衛隊幹部の階級はなにが原因で昇進のスピードが決まるのか?
自衛隊で勤務し幹部候補生学校(久留米)を卒業した後、幹部はそれぞれの勤務地でしごとに励む事になりますが、その後どうやって昇進していくのかを解説していきます。
3尉から2尉への昇進はスピードは同じ
3等陸尉から2等陸尉への昇進はみな同じスピードで昇進します。将来3等陸佐で終わる幹部も陸将まで昇進する幹部も一律2年で昇進します。
まだ差がつきませんので今のうちに偉くなりそうな人にはタメ口で話しておきましょう。例え同期でも階級に差がつけば勤務中はタメ口では話せません。
2尉から1尉への昇進は少し差がつく
2尉から1尉への昇進は少しですが差がついてきます。昇進のスピードが速い隊員で4年、遅くとも6年ぐらいで1等陸尉に昇進します。
さてここでは、どんな要因で階級の昇進にさがつくのでしょうか?
幹部候補生学校(久留米)とBOC(初級幹部過程)での成績が加味されて昇進のスピードに影響されます
防大出身や一般幹部候補生出身の隊員は20代で1等陸尉になる計算です。
1尉から3佐への昇進は幹部の分かれ目
1尉は仕事的にも一番忙しいかもしれない時期であり、正直自衛官の自殺が一番多い階級でもあります。
ですがここで、頑張れば将来高級幹部にもなれますので頑張りましょう。
1尉になると、幹部の分かれ目である、CGSとFOCの試験を受ける事ができます。いずれも合格すれば、自動的に3佐への昇進がきまるといってもいいので、一番早いスピードで昇進するにはCGS(指揮幕僚過程)の試験合格が一番のスピードで3等陸佐への昇進が決まります。
CGSに合格できない人はFOCに挑戦しますが、こちらも合格すれば3佐に昇進します。
もちろん技術系のTACに合格すれば3佐の昇進が早く決まり、将来の高級幹部が決まります。
早い人で3年くらいで3等陸佐に昇進するはずです
一方FOCにも合格できなかった隊員はいわゆる無印幹部として勤務する事になりますが、この隊員の昇進はどのように決まるでしょうか?
ここでは、AOCの成績はあまり関係ありません。勤務の評価が大きく影響する数少ない箇所だと思います。無印の幹部は一生懸命仕事しましょう、よく考えればよくできたシステムですね。
これで、無印幹部のモチベーションアップにつながれば幸いです。
3佐から2佐への昇進スピードでその後どこまで昇進するかが分かる
CGSやTACを卒業した隊員は1選抜の前期と後期で昇任しなければ、将官への昇任はほぼないといっていいでしょう。
将官になりたければここで1選抜を取るために、それぞれの過程(CGS、TAC)で成績上位を目指しましょう。
成績上位であればいづれAGSに選抜されて方面の運用ができるようになり、将官も見えてきます。
1選抜で4年程度で2佐に昇進します。
無印の幹部は勤務評定が良ければ2佐にも昇進できます。スピードが早くても8年近くかかりますが頑張って2佐まで昇進しましょう。
一般幹部候補生や防衛大学校から入隊しても3佐で終わる隊員もいます。まーそれも人生でしょう、自衛隊人生は階級がすべてではありません。
2佐から1佐への昇進はこれまでを引き継ぐ
自衛隊で2佐から1佐への昇進は特に大きな変化はありません。これまでの昇進スピードを受け継いでいきますので、ここからは同期内での逆転はほぼできなくなります。
スピードの速い隊員で6年程で1佐に昇進しますが、2佐への昇進が早い隊員がそのまま早いスピードで昇進するイメージです。
またFOC合格者のほとんどは1佐には合格しません。極たまにですが1佐になった隊員もいます。優秀だったからと言うより編成の都合が大きいです。
陸上自衛隊における1佐以降の昇進のスピードについて
1佐の三からの昇進は、何年という表現はあまり適切でないと思いますので、その表現は使わないようにします。
1佐の一からは補職に階級がついてきます。陸幕の課長や方面の部長の補職に就けば1佐の一に昇進するでしょう、師団の連隊長に就く場合も同様に1佐の一に昇進します。
陸将補に昇進するときも同様です。方面総監部の副長や副師団長、旅団長、団長に就くときに昇進します。
昇進のスピードはポストが空いた時に、それまでの成績やその後の昇進も見据えてポストに就けていくので、なかなかこれが正解と言う説明の仕方はありません。
陸上自衛隊では昇進のスピードが速い隊員で40代中盤から後半で1佐の一に昇進します
それでも、これまで昇進のスピードが速い隊員が早く補職についていく傾向にあります。因みに陸将補は現在100名弱いるはずです。
詳しいポストはさすがに全部は掌握できていません。
陸将への昇進は政治的な背景も加味される
陸将への昇進は多少政治的な背景も加味される場合があります。これもポストが決まっていますので、方面総監や師団長等ポストが空いた時に着任と同時に昇進もします。
現在は25名ぐらいでしょうか陸将がいるはずです。目標にしている人は頑張ってください。
陸上自衛隊幹部階級の昇進スピードをまとめた
陸上自衛隊幹部の昇進を表にまとめてみました。
昇進階級 | 最小年数 | 昇進要素 |
2尉 | 2年 | 一律で昇進に差はつかない |
1尉 | 4年 | 幹部候補生学校、BOC |
3佐 | 3年 | CGSやTAC、FOCの合格、勤務評定 |
2佐 | 4年 | CGS、TAC、FOCの成績、勤務評定 |
1佐 | CGS、TAC、AGSの成績 | |
陸将補 | CGS、TAC、AGSの成績やポスト状況 | |
陸将 | CGS、TAC、AGSの成績やポスト状況、政治背景 |
確実に陸上自衛官で2佐以上の幹部に昇任したければ、
- CGS(指揮幕僚課程)
- TAC(技術高級課程)
- FOC(幹部特修課程)
いずれかの試験に合格するようにしましょう。
これらの試験に合格して、そこでの成績が昇進スピードと最終的な階級を決定します。
無印の幹部は普段の勤務を頑張って勤務評定を稼げば2佐での定年も見えてきます。
階級 | 旧軍階級相当 | 参考 |
2等陸士 | 2等兵 | 映画『プライベートライアン』のライアン |
1等陸士 | 1等兵 | |
陸士長 | 上等兵 | |
3等陸曹 | 伍長 | ココ以降が自衛隊では定年まで勤務します |
2等陸曹 | 軍曹 | |
1等陸曹 | 軍曹 | |
陸曹長 | 曹長 | |
准尉 | 准尉 | ココから下が幹部です |
3等陸尉 | 少尉 | |
2等陸尉 | 中尉 | ブライト・ノア |
1等陸尉 | 大尉 | |
3等陸佐 | 少佐 | シャア・アズナブル |
2等陸佐 | 中佐 | |
1等陸佐 | 大佐 | シャア・アズナブル(後半) |
陸将補 | 少将 | |
陸将 | 中将、大将 | レビル |
自衛隊における階級の昇進スピードまとめ
今回の記事で昇進のスピードがどのように決まっているか分かりましたか?
基本的には
過程教育に入校している時の成績
ほぼこの一択です。
- ✖ 普段の仕事を頑張る
- ✖ 同僚の信頼をえる
普段の勤務を一生懸命頑張っていても昇進のスピードが大きく変わる事はありません。
逆に云うと、入校の時の成績さえよければ、普段の仕事であまり評判がよくなくても昇進に影響する事はあまりなく、仕事ができない自衛官でも昇進だけは早い自衛官も結構いるという事になります。